当院の静脈麻酔（静脈内鎮静法）

点滴で行う麻酔と聞くと、全身麻酔を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、全身麻酔と静脈麻酔（静脈内鎮静法）では、麻酔の性質や安全性が大きく異なります。

例えば、全身麻酔の場合は意識が完全に消失してしまいます。そのためご自身の力では呼吸ができず、酸素吸入が必要です。

一方、同じ点滴麻酔でも静脈麻酔（静脈内鎮静法）なら意識はなくならず、ご自身で呼吸できます。静脈麻酔はウトウトとうたた寝をしているようなリラックスした状態のまま処置が終わるのが特徴です。

静脈麻酔（静脈内鎮静法）を受ければ、治療中の不安や緊張がやわらぎ、より楽に治療を受けられます。

静脈麻酔（静脈内鎮静法）には、以下のさまざまなメリットがあります。

最大のメリットは、治療に対する恐怖心や不安がやわらぎ、リラックスした状態で診療を受けられる点です。また、緊張や嘔吐反射（器具を入れると、えずいてしまう反射）も抑えられるため、お口を開けていることが苦手な方にも適しています。

ガスを吸う笑気麻酔よりもしっかり効き、安定した鎮静状態が得られるのも利点の一つ。さらに、健忘効果があるため、治療中の不快な記憶が残りにくいという効果もあります。心理的な負担を軽減し、次回の治療への抵抗感も少なくなるかと思います。

点滴による麻酔ですが、日帰りで治療が可能です。ウトウトしている間に治療が終了し、「気がついたら終わっていた」と感じる方も多くいらっしゃいます。

歯科治療に対し不安や恐怖心、苦手意識が強い方には特におすすめの麻酔方法です。

メリットの多い静脈麻酔（静脈内鎮静法）ですが、いくつか注意点もあります。

まず、麻酔からの回復に時間がかかる点です。麻酔が終わった後も、しばらくは「うつらうつら」した状態が続く場合があります。そのため当院では治療後すぐに移動されることを避け、診療台で30分程度お休みいただいてから、ご帰宅をお願いしています。

また、当日中は麻酔の影響が体に残る可能性も。そのため車や自転車、バイクなどの運転は控えていただく必要があります。

さらに、通常の歯科治療で使用する局所麻酔のみの場合に比べて、静脈麻酔を使用する治療は費用がかかる点にもご注意ください。