当院の歯ぎしりの治療
（ナイトガード）

歯ぎしりは以下が原因とされています。

• ストレス
• 睡眠障害
• 生活習慣
• 噛み合わせの悪さ
• 一部の薬の副作用　など

中でもストレスは歯ぎしりと深い関わりがあると言われています。

改善のためには、ストレスの解消や生活習慣の見直し、睡眠環境の改善などが効果的です。しかし、これらはすぐに改善できるものではありません。

さらに、歯ぎしりは睡眠中に無意識に行われるため、意識して防ぐことは困難です。だからこそ、原因や影響をしっかりと理解した上で、歯ぎしりを軽減する取り組みが大切です。

一般的に、食事の際の噛む力は約20kgと言われています（※）。ただし、日常生活で上下の歯が接触している時間は、食事や会話を含めたわずかな時間に限られるものです。

しかし歯ぎしりや食いしばりがある場合、睡眠中の数時間にわたって、食事時の数倍から数十倍の強い力が歯にかかり続けます。この強い力が、さまざまな問題を引き起こすのです。

※日本歯科医師会2010年6月15日発行「歯の学校」より

エナメル質が削れて冷たいものに敏感になり、知覚過敏や虫歯のリスクが高まります。

歯ぎしりによって歯が揺れると、あごの骨が減って歯周病が進行しやすくなります。

顎関節や咬筋に負担がかかり、口の開閉時に痛みが生じたり、「カクカク」「ポキッ」といった音が起こることも。

歯冠や歯根破折（しこんはせつ：歯の根っこにヒビが入ったり割れたりする状態）が起こり、抜歯になるケースが多くなります。

強い横揺れで被せ物が外れ、セラミックの場合は割れることもあります。

過剰な力で骨が発達し、口蓋（お口の中の上側の部分）や下あごの舌側で骨が盛り上がります。この骨隆起（こつりゅうき）は、入れ歯を作る際に削る必要が生じることもあります。

歯ぎしりや食いしばりから歯を守るため、当院ではナイトガードを保険適用で作製しています。3割負担の場合、費用は4,000～5,000円程度です。

2種類の素材をご用意しており、歯ぎしりや食いしばりの程度や、患者さまのご希望に応じて使い分けています。ナイトガードは、型どりから約1～2週間程度でお渡しが可能です。

毎日のお手入れも簡単。起床後に歯磨き粉をつけずに、ナイトガードを歯ブラシで洗うだけです。さらに洗浄剤を使うことで、臭いや変色を防ぎ、より清潔に保てます。

ナイトガードをお使いいただくと、お口の中の保護はもちろん、歯のすり減りや顎関節への負担軽減にもつながります。歯ぎしりや食いしばりによる歯やあごへの負担を、効果的に軽減できるのがメリットです。

ナイトガードは毎日使うものだからこそ、適切な管理が大切です。使い続けているうちに穴が開いたり、劣化や変色が起こったりすることがありますが、ご自身ではなかなか気づきにくいものです。

そのため当院では、定期検診の際にナイトガードを持参いただくようお願いしています。プロの目で状態をチェックすることで、適したタイミングで作り直しをご提案できるからです。

ナイトガードの状態を定期的に確認する機会があれば、劣化や穴が開くリスクを早めに把握でき、快適に、より安心して使用し続けられます。

大切な歯を守るための装置だからこそ、きちんとしたメインテナンスが重要です。